미궁迷宮 1
미궁迷宮 2
ファン・ビョンギ(黃秉冀:1936年5月31日〜)、カヤグムの代表的な名手、作曲家。
ファン氏:ええと、これから演奏いたしますのは、私が75年度、明洞(ミョンドン)にあった国立劇場で初公演する時に、まあ、昔のことですから、演奏の途中にある女性が悲鳴を上げて外に逃げていったという、まあ、当時は長髪の取り締まりをしたり、女性のミニスカートも交番で定規で測ったりしていた時代なんですね。それで、あまり衝撃的だということで演奏を禁止された曲なんです。
ところが、最近どうしてかインターネットで若者の間に広がって、また騒ぎになったりもしました。昔の曲ですから、でっきり古ぼけているとばかり思っていたのですけどね。まあ、ということで、今日は、ソプラノのユン・インスックさんと一緒にお送りしたいと思います。まあ、だいたいの方向は決まっているんですが、一応即興なんです。ですから、どういう形になるのかは分かりません。
最初に魂を歌うところ、つまり招魂の歌は「誕生」を意味します。宇宙のどこかにある魂を引っ張ってくるのが「誕生」なのではないか、と。それから、笑い声と鳴き声とが混ざります。人間の声の中で最も原初的な声、つまり言語以前の声というのは同じですよね。アメリカ人でも韓国人でも笑い声は通訳する必要がありませんね。笑い方は同じですから。それで言語以前の人間の生命的な声を考えたのがここで、その後にうめき声へと変わります。うめき声というのは苦しみを克服する声でもあり、ある逆境を乗り越える志の声ですから。
それから弦をはじくところから、新聞を読む声になります。新聞を読むというのは人間の文明を象徴するものです。そうすると新聞を読む言葉がだんだん崩れてきて、今度は絶叫する声に変わっていきます。それまでのすべての声を掃いてしまうとでも言いましょうか。海の音のような、シューっという声。すべてを呑み込んでしまうと、いちばん最後に般若心境の真言、不思議で意味の知らない真言を一種の賛美歌のように歌いながら、すべてをあの世へと導いていく、という、まあ、人間の一周期を私なりに考えて書いた曲です。
迷宮 — 1975年初演し、1996年のアルバム『ファン・ビョンギ 第三ガヤグム作品集』に収められているこの作品は、人間の誕生から死に至るまでの一周期を表現したものである。言語や音楽的要素を最小限にした声を結合させ、音楽的完成度を成し遂げた、ファン・ビョンギの永遠な問題作と呼ばれる作品。弓、チャングのばち、コムンゴのばちなどを用いたカヤグムの破格的な造音や深淵から込み上がるような人間の声が調和をなし、曲全般を劇的な雰囲気へと導く。発表されてから30年も経つ今日なお色あせないこの作品は創作音楽の永遠な古典として位置づけされた。誕生という意味の含まれた魂を歌う声で始まり、人間の最も原始的な声である鳴き声と笑い声、苦しみを乗り越えるようなうめき声、人間の文明を象徴する新聞を読む声、最後は仏教のお経の内容を吟じながら終わる。
ソプラノ:ユン・インスック
ドイツのフランクフルト国立音楽大学を卒業。1990年平壌凡民族統一音楽会、平壌国立オーケストラと共演。2003年には日本の大阪フィルハーモニー交響楽団と共演を果たす。2003年 尹伊桑の初期歌曲及びオーペラ《シムチョン(沈清)》のアーリア、南北首脳会談の記念アルバムなどをリリース。
젊은 시절의 황병기. 가야금 산조 바리에이션 (1966 년)
若き頃のファン・ビョンギ。伽耶琴散調ヴァリエーション(1966年)
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